突然起こる地震や台風などの予期せぬ大災害…「備えは大切」と分かっていても、「何をどのくらい用意すればいいの?」「気づいたら備蓄品の賞味期限が切れていた!」という焦りや悩みなどを抱いた経験はありませんか?
そこで今、注目されているのが「ローリングストック」という方法です。
ローリングストックとは、特別な備蓄スペースや準備をせず、普段の生活の中で自然に防災対策を取り入れるスタイルで、無理なく続けやすいため、忙しい方にもぴったりの方法です。
本記事では、「ローリングストックとはどんな仕組みなのか?」「備蓄におすすめの食品や日用品は何なのか?」などといった情報を紹介していきます。
「ローリングストック」とは?
最近、テレビや雑誌などでも「ローリングストック」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
でも、いざ「どういう意味があるの?」と聞かれても、上手く説明できない人も少なくありません。
まずは、「ローリングストック」の基本について、分かりやすく整理していきましょう。
「ローリングストック」の具体的な意味
「ローリングストック」とは、日常的に使う食品や日用品を、いつもより少し多めにストックしておき、使った分をその都度補充していくことで、常に備蓄を切らさない仕組みのことです。
ポイントは以下のような「消費しながら備えておく」という考え方です。
・消耗品が減ってきたら、使い切る前に新しいものを用意しておく
こうしたサイクルを続けることで、「気づいたらすべて期限切れだった…!」というリスクを減らしつつ、自然と防災対策ができるのです。
「ローリングストック」のメリットについて
「ローリングストック」には、主に以下のようなメリットがあります。
・普段食べ慣れているものを、災害時にも口にできる安心感がある
・食品ロスを防ぐ効果も期待できる
・「防災専用」と構えず、日常生活の延長で取り組める
「防災のための備蓄って難しそう…」と感じている人でも、無理なく続けやすい方法なのです。
ローリングストックに適したアイテムとは?
ローリングストックをうまく続けるためには、非常時に役立つだけでなく、日常でも無理なく消費できるものを選ぶことがポイントです。
ここでは、ローリングストックに向いている食品や日用品について具体的に紹介します。
ストックにおすすめの食品
まずは、非常時に備えるためのストックとなる食品を紹介します。
・レトルト食品→ 温めるだけですぐに食べられるカレーや親子丼、中華丼など
・インスタント食品・乾麺→ カップラーメン、即席スープ、乾燥パスタなど手軽に食べられるもの
・缶詰類→ 長期間保存できるツナ缶、サバ缶、野菜やフルーツの缶詰など
・飲料水→ 1人あたり1日3リットルを目安に、数日分備蓄しておくと安心
・栄養補助食品・おやつ類→ カロリーメイトやビスケット、チョコレートなど、エネルギー補給にもなる食品
長く保存ができて、手軽に食べることのできる食品を選ぶようにしましょう。
ストックに役立つ日用品
続いて、日常時に備えるのに必須となる日用品を紹介します。
・ウェットティッシュ・除菌シート→ 手が洗えない場面でも清潔を保つために便利
・使い捨てカイロ・簡易トイレ→ 特に寒い時期や避難生活が長引いたときの備えに
・ビニール袋・ラップ→ 調理やゴミの処理、衛生面でも活躍する万能アイテム
・乾電池・モバイルバッテリー→ 停電時にスマホやラジオを使うために必須
これらは持っていないと不便になるので、絶対に確保しておくようにしましょう。
非常食は便利ではあるのですが、わざわざ非常食ばかりを買い揃える必要はありません。
家族が普段食べ慣れているもの、使っているものを、いつもより少し多めに備えておくだけで大丈夫です。
「防災用」と「日常用」を分けず、普段の暮らしの中で自然に備える…これが、ローリングストックの基本的な考え方なのです。
ローリングストックの始め方と続けるコツ
「普段の生活に備蓄を取り入れる」と言われても、実際にやろうとすると「まず何をすればいいの?」と戸惑うこともありますよね。
ここでは、ローリングストックを気軽に始め、無理なく続けるための基本手順をまとめました。
ステップ1:日常の買い物で少し多めに確保
まずは、普段から使っている食品や日用品を、いつもより少し多めに買い足すことからスタートするといいでしょう。
・ペットボトルの水を1ケースだけでなく2ケースまとめて購入する
このように少しずつ増やしていけば、自然と備蓄が整っていきます。
ステップ2:古いものから優先して使う習慣をつける
ストックしたものは、古い順に使っていく「先入れ先出し」を意識しましょう。
・賞味期限を確認し、近い順番に消費する
これらを徹底するだけで、ストックの鮮度をしっかりと保つことができます。
ステップ3:定期的な見直しを忘れずに
月に一度を目安に、「減っているものはないか」「期限が迫っているものはないか」など、棚の中をチェックしましょう。
・賞味期限が近いものは優先して消費
・不要になったアイテムは無理にストックしない
このような点検を習慣にすることで、備蓄の管理もスムーズに進むはずです。
ステップ4:非常時をイメージして備える
「電気が止まったら?」「水道が使えなくなったら?」…そんな状況を少し意識しながら、備える内容を見直してみましょう。
・飲料水は多めに確保しておく
・モバイルバッテリーはこまめに充電しておく
このような備えを徹底しておくことで、いざというときの心強い支えになります。
失敗しないローリングストックの続け方
ローリングストックは手軽に始められる反面、続けるうちに陥りやすい落とし穴もあります。
ここでは、つまずきを防ぎながら上手に続けるためのポイントを紹介します。
ポイントその1:必要以上に備えすぎない
「万全にしなきゃ!」と張り切って大量に買い込んでも、結局使いきれずに賞味期限を過ぎてしまうこともあります。
まずは、以下の分量の非常食や保存食などを蓄えておくといいでしょう。
・家族の人数に合わせた分量
このあたりを目安にスタートしましょう。(慣れてきたら、少しずつ量を増やしていくくらいが無理なく続けるコツです。)
ポイントその2:普段から使っているものを選ぶ
「非常時用」として普段食べ慣れないレトルト食品や缶詰を大量にストックすると、結局使われないままムダになってしまうこともあります。
非常食や保存食などは、なるべく以下の点を心がけて、選ぶといいでしょう。
・家族全員が食べ慣れているもの
これらを意識するだけで、備蓄もぐっと実践的になります。
ポイントその3:使った分は必ず補充する
ストックしていても、使った後に補充を忘れてしまうと、いざというときに備えが足りない…なんてことになってしまいます。
・減ったものをすぐにメモするクセをつける
こういったちょっとした習慣が、備えを切らさない秘訣です。
ポイントその4:家族と情報を共有する
自分だけが管理していると、他の家族が気づかず使ってしまい、バランスが崩れることもあります。
なので、以下のように「何のためのアイテムなのか」を家族にしっかりと説明しておきましょう。
こんな風に、家族みんなで意識を共有しておくと、ストック管理がずっとスムーズになります。
まとめ
今回は、「ローリングストックとはどんな仕組みなのか?」「備蓄におすすめの食品や日用品は何なのか?」などといった情報についてまとめました。
「ローリングストック」とは、普段の暮らしの中で使う食品や日用品を少し多めに持ち、消費しながら補充を続けていく、無理なく続けられる防災対策のスタイルです。
特別な非常食を買い込むだけでなく、「いつもの生活用品を活かして備える」「古いものから順番に使う習慣でムダをなくす」「災害時への備えと、日々の生活の利便性を両立する」というメリットがあります。
特別な準備をしなくても、日々の意識を少し変えるだけで、自然と「もしも」のための備えが整っていくでしょう。
大切な家族、そして自分自身を守るためにも、今すぐにできることから「使いながら備える暮らし」を始めてみませんか?
「使ったら必ず教えてね」