「未来の地球を、私たちはどう描くのか?」——2025年の大阪・関西万博では、世界中の国々がこの問いに向き合い、それぞれのビジョンを形にしています。
中でも注目されているのが、各国が創意工夫を凝らした“海外パビリオン”でしょう。
本記事では、なかでも関心が高まっているフランス、アメリカ、UAE、インドの4つにフォーカスし、その魅力をわかりやすく紹介していきます。
世界を体感する国際パビリオンの醍醐味
2025年万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」となっています。
その中でも、「命を守る」「力を与える」「つながりを生み出す」という3つのコンセプトに基づき、各国が特色ある展示を展開しています。
海外パビリオンは、それぞれの文化や最新技術を通して、来場者とともにこれからの社会の姿を探る場となっているのが特徴です。
文化とテクノロジーが融合した革新的な展示
たとえば、フランスのパビリオンでは、自然環境と調和した建築デザインを採用し、再生可能エネルギーの活用や空気循環システムの導入など、未来志向の都市づくりを体現しています。
芸術性と環境配慮を兼ね備えた空間が広がり、観る人に「持続可能な暮らしの美学」を訴えかけます。
五感で感じる“没入体験”型展示
最新のVR・AR技術やセンサーを用いた体験型コンテンツも豊富に展開しているのが特徴です。
アメリカのパビリオンでは、「AIと宇宙探査」をテーマにしたバーチャル体験ができ、まるで未来の研究施設に迷い込んだような感覚が味わえます。
来場者自身が主体となって参加できるため、記憶に残る深い学びが得られます。
教育的要素も満載で世代を問わず楽しめる!
お子さま向けの体験型企画も多数用意されているので、家族連れにもおすすめです。
アメリカ館ではプログラミングやロボット制御の体験教室が開催され、フランス館では環境問題に関する学びの場が提供されています。
STEM教育の視点からも非常に有意義な内容となっており、家族での来場にもぴったりです。
写真映え抜群の建築演出
各パビリオンは外観デザインにもこだわりがあり、写真撮影スポットとしても注目されています。
アメリカ館の「空中に浮かぶ立方体」や、フランス館の「動きのある外壁構造」は、どこを切り取っても絵になる仕掛けが盛りだくさんです。
SNSにアップしたくなるフォトジェニックなシーンが待っています。
アメリカ館:未来を先取りする「宇宙×AI」の革新体験
2025年の大阪・関西万博で披露されるアメリカ館は、技術革新の最前線を来場者自身が体験できる場となっています。
「共創によるつながりある未来」をコンセプトに、宇宙開発から人工知能、次世代ロボットまで、アメリカが誇るテクノロジーを五感で楽しめるように構成されています。
NASAによる火星探査の疑似体験
アメリカ館の目玉の一つは、NASAの協力によって実現した仮想宇宙探査エリアです。
ドーム型スクリーンや臨場感を高める振動・音響装置により、まるで宇宙飛行士として火星ミッションに参加しているかのような没入体験が可能です。
宇宙ステーションの生活空間も再現されており、子どもから大人まで夢中になれる内容となっています。
AIとの対話で巡る未来の展示空間
来場者を案内してくれるのは、最新の対話型AIによるバーチャルアシスタントです。
チャット型AIと実際に会話をしながら館内を回れる仕組みで、リアルタイムの質疑応答にも対応しています。
テクノロジーと共に生きる未来社会を、肌で感じられるインタラクティブな体験が広がっています。
日本語対応も万全なので、誰でもスムーズに楽しむことができるでしょう。
宇宙でも「おいしい」が叶う未来の食体験
食に関するエリアでは、従来のイメージを覆す美味しくて持続可能な宇宙食が登場。
植物性素材を使ったヘルシーな料理や、3Dプリンターで生成された未来食など、次世代の食文化が楽しめます。
栄養・環境・技術の観点から進化した“食”のあり方を体験できる貴重なゾーンです。
感動を届けるロボットたちとのふれあい
館内には、最新のAIとロボティクスを融合させたパフォーマンスロボットも登場します。
来場者と軽やかにダンスをしたり、自然な会話を交わしたりと、人間との共存をテーマにした体験が目白押し。
ロボットが日常生活でどんな役割を担うかを楽しく学べるデモンストレーションも用意されています。
子どもたちの探究心を刺激する教育プログラム
未来の科学者や技術者を育む「学びの場」も充実しているのがポイントです。
科学やエンジニアリングに触れる体験型ワークショップでは、宇宙飛行士の訓練シミュレーションや、初心者向けのプログラミング体験などが実施され、楽しみながら自然とSTEM分野の基礎に触れられるよう工夫されています。
フランス館:環境と美が共鳴する次世代都市ビジョン
2025年の大阪・関西万博に出展されるフランス館は、芸術的な感性と環境配慮を融合させた、未来型都市空間を体感できる展示となっています。
建築からコンセプトに至るまで、全てが「自然と共に生きる社会」や「再構築可能な暮らし」というテーマに沿って設計されており、その一体感が来場者を魅了します。
持続可能性を表現する建築美
このパビリオンは、リサイクル素材を積極的に用いて建設され、イベント終了後の分解・再活用も視野に入れたデザインとなっています。
外観や内部構造には芸術的な工夫が凝らされており、機能性とデザイン性を両立する“フレンチデザイン”の真髄が感じられます。
緑豊かな外壁は、都市の中に自然を取り込むという新しいライフスタイルを象徴しています。
伝統と革新が共存する都市風景
館内では、フランスに根付く庭園文化と、現代の都市計画が融合したビジョンが紹介されます。
自然を身近に感じられる都市のあり方を描いた展示では、来場者が未来の「緑化都市」を歩くような没入感が味わえ、持続可能なインフラ整備の可能性をリアルに感じ取ることができます。
味覚でもフランス流サステナブルを体験
また、フードに関する展示も見どころのひとつ。本場の味を再現した料理の試食や、地球環境に配慮したオーガニック食材の展示が行われ、五感で楽しむ工夫が凝らされています。
フードロスやサステナブルな食文化についても学べる内容となっており、食を通してフランスの社会的メッセージが伝わってきます。
AR技術が導く仮想の緑あふれる都市
ARを使った仮想体験では、タブレットやスマートフォンを手に取り、未来の都市をバーチャルに歩くことが可能です。
フランスが描く2050年の都市風景は、再生可能エネルギーに満ち、緑があふれ、人と自然が共存する空間として映し出され、まるで実際に訪れたかのような感覚が味わえます。
遊びながら環境意識を育む仕掛け
展示の随所には、子どもから大人まで楽しめる体験型のコンテンツが満載です。
クイズ形式で学ぶコーナーや、身体を動かして楽しめるインタラクティブなインスタレーションも用意されており、自然と環境意識が芽生える構成になっています。
学びと遊びが共存するこの展示は、見て終わりではなく、自らの価値観を問い直すきっかけにもなります。
インド館:悠久の知恵と未来技術が奏でる五感の旅
インド館では、古代文明の哲学と現代科学の融合を軸に、過去と未来を結ぶ壮大なスケールの展示が展開されます。
テーマは「One Earth, One Family, One Future(ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来)」。
身体・精神・テクノロジーのバランスを重視するインドならではの世界観が、来場者を深く引き込みます。
自然療法と先端医療が出会う健康ゾーン
数千年にわたり受け継がれてきたアーユルヴェーダと、AIを活用した現代医療の融合体験が注目ポイント。
自身の体調や体質をバーチャル診断できるコーナーでは、伝統療法とテクノロジーが調和する新しいヘルスケアのかたちを学ぶことができます。
未病予防や生活改善のヒントが得られる実用的な展示だと言っても過言ではないでしょう。
古代文明を360度で追体験
高度な映像技術で再現された古代インドの都市を探訪できるVRツアーも見どころの一つです。
インダス文明の街並みや祭事、当時の生活の知恵を、視界いっぱいに広がる映像で体感できます。
天文・建築・宗教が融合した都市設計の美しさは、現代に通じるサステナビリティの精神を感じさせます。
スパイスの香りでたどる味と文化
スパイス王国インドの魅力を、香りと味覚で堪能できる展示も展開中です。
嗅覚で楽しむスパイス体験では、香辛料の効能や文化的背景を学べるほか、健康志向の軽食を試食できるエリアも用意されています。
香りに包まれながら、インド料理の奥深さと身体への優しさを発見できる内容です。
ARで楽しむ伝統の踊りと祭り
AR技術を取り入れた体験型の演出では、華やかな民族舞踊や祝祭シーンをリアルに再現。
来場者の動きに連動して、仮想空間でダンサーと一緒に舞ったり、祭りの一員として映像の中に“入り込む”こともできます。
まるで異国のフェスティバルに参加しているような没入感が味わえます。
デジタル先進国・インドの“次世代ワークスタイル”
インドが誇るIT分野の最前線も、注目の展示だと言ってもいいでしょう。
AI技術の応用、教育や行政へのブロックチェーン導入、グローバルに働くエンジニアの暮らしぶりなど、「距離に縛られない仕事の形」が紹介されます。
地方にいながら世界と繋がるインドのライフスタイルは、来場者に多くの気づきを与えてくれるでしょう。
UAE館:砂の国が導く、循環型未来へのヒント
アラブ首長国連邦が大阪・関西万博で披露するUAE館は、砂漠の過酷な自然環境で培われた革新的なテクノロジーを軸に、持続可能な未来都市のあり方を提案します。
中東ならではの知恵と最先端科学が交錯するこの空間では、再生可能エネルギーや循環型社会のモデルを直感的に体感できます。
未来都市マスダール・シティの縮図を体験
会場内でひときわ目を引くのは、「ゼロエミッション都市」として名高いマスダール・シティのスケールモデルです。
来場者は、その都市を模した展示エリアを歩きながら、再生エネルギーやスマート交通システムなど、環境と共存する都市設計の全体像を学ぶことができます。
太陽光発電による電力供給や自律走行EVによる移動など、暮らしに根差した技術の数々が紹介されています。
空気から水を生む革新のエコ技術
特設ブースでは、UAEが開発したソーラーシステムや水再利用のテクノロジーを実際に目の前で体験できます。
中でも注目は、乾燥した気候でも空中の水分を集めて飲料水を生み出す「アトモスウォーター」でしょう。
水資源の乏しい地域で活用されているこの装置は、世界の水問題に光をもたらす先進技術の一つとして展示されています。
伝統と革新が共鳴する都市デザイン
展示構成では、UAEの伝統的な建築や生活文化とハイテクノロジーの融合が巧みに演出されています。
アラブの古来の知恵「風塔(バラジール)」を現代風にアレンジし、内部にIoTを組み込んで通気性や温度を自動制御する実験的な仕組みも紹介されており、文化と技術の共生を感じさせます。
仮想空間で巡る持続可能な都市
VRによる仮想都市ツアーも用意されており、来場者は上空から街を見下ろしたり、居住エリアを歩いて回ったりと、360度の視点で都市構造を探検できます。
最新の環境配慮型住宅や公共インフラを目の当たりにしながら、未来の暮らしに触れられる体験です。
砂漠から学ぶ“サステナブル”の本質
UAE館では、技術展示を超えて「繁栄と持続可能性の両立」という課題に真正面から取り組んでいます。
極端な自然条件の中で発展を遂げてきたこの国の経験は、世界中の都市にとって新しい視点を提供してくれるでしょう。
持続可能な社会の実現に向けて、国境を超えた知恵の共有がここにあります。
まとめ
大阪・関西万博2025に登場する海外パビリオンは、単なる展示にとどまらず、各国が持つ文化・技術・価値観を五感で体感できる貴重な場となっています。
・フランス館:「美とサステナブル」が融合した未来都市
・インド館:「伝統と革新」の調和がもたらす新しい生き方
・UAE館:「砂漠の知恵」が生み出す循環型社会の可能性
どのパビリオンも、未来をより良いものにするためのヒントが詰まっており、国境を越えてつながる意識や創造力に満ちています。
万博会場を巡ることで、私たちはただ見学するだけでなく、世界と対話し、これからの生き方を自ら考えることになるでしょう。
あなた自身の「未来のヒント」を見つけに、ぜひ各国のパビリオンを巡ってみてください。