本記事では、「贈呈」と「贈答」という二種類の似たような響きの言葉に一体どのような違いがあるのか、それぞれの用語の意味、活用事例、関連用語などを交えながら紹介していきます。
「贈呈」の意味
「贈呈」という表現は、相手に物を渡すことを、儀礼的・公式な場で示す場合によく使われます。
表彰状や記念品、卒業証書など、フォーマルな形で個人や団体へ手渡す行為を指すのが一般的です。
学校の卒業式や企業の表彰式など、あらたまった雰囲気の中で用いられることが多く、改まった言葉遣いとして公的な場面に適しています。
「贈答」の意味
一方の「贈答」は、祝い事や季節行事、特別なタイミングに合わせて品物を贈ること全般を意味します。
誕生日や結婚祝い、バレンタインデー、クリスマスといったイベントに合わせたプレゼントも含まれます。
また、日本の慣習としては、お中元やお歳暮のような決まった時期の贈り物も「贈答」の一種とされます。
ビジネスシーンでは、新年のご挨拶や日頃の感謝を形にするために使われることも少なくありません。
「贈呈」と「贈答」の具体的な違い
「贈呈」は、相手の目の前で品を渡すことが基本で、公的な式典や表彰などフォーマルな場面で用いられます。
これに対し、「贈答」は、贈り物を送る行為全般を指す広い概念ですが、日本文化の中では特定の時期や行事に合わせたやり取りを意味することが多いのが特徴です。
「贈呈」という用語の活用事例と例文サンプル
まずは「贈呈」という用語を活用した例文サンプルの事例を紹介します。
2.会社の創立50周年を記念して、長年の功労者に感謝状が贈呈されました。
3.寄付金の贈呈式が市役所で執り行われることとなりました。
「贈呈」という言葉は、格式のある場で物品を渡す場合に用いられる表現です。
賞状や感謝状、記念品など、価値や意味の重いものを人に渡すときにふさわしい言い回しで、しばしば式典や公式行事などで使われます。
また、その場に関係者や観客がいる状況で、寄付や贈り物を手渡す場合にも適しています。
一方で、誕生日プレゼントや日常的な贈り物に対して「贈呈」を使うと不自然に響くことがあります。
あくまで公的・改まった雰囲気が求められるシーンで使うことを意識しましょう。
多くの場合、この行為は事前に準備され、公式な告知とともに行われます。
「贈答」という用語の活用事例と例文サンプル
次に「贈答」という用語を活用した例文サンプルの事例を紹介します。
2.冠婚葬祭では、贈答のマナーを守ることが求められます。
3.この地域では、祭りの際に近隣住民同士で贈答を行う風習があります。
「贈答」は、人に品物を贈る行為、または贈る品物そのものを指しています。
特に行事や節目、記念日などに、感謝・祝福・心遣いを形にするために用いられます。
意味としては「贈り物」と近いですが、やや改まった響きがあるのが特徴です。
注意すべき点として、贈答品は相手との関係や状況、文化的背景を踏まえて選ぶ必要があります。
不適切な品を贈ると、好意が誤解されてしまったり、かえって相手を不快にさせることもあります。
相手の好みや使いやすさを考慮することが、贈答において重要とされます。
「贈呈」と「贈答」の同義語や代替表現などについて
二種類の用語「贈呈」と「贈答」には似たような意味の表現があります。
それぞれ、どのような表現方法があるのかを確認しておくといいでしょう。
「贈呈」の同義語や代替表現など
まずは「贈呈」と似たような意味を持っているワードを紹介します。
2.寄贈:美術品や書籍、文化的価値のある物品を、公的機関や団体に提供する場合に使われる。
3.進呈:目上や来賓などに物を差し上げること。やや謙譲の響きを持ち、ビジネス文書でも多く使われる。
4.献呈:出版物や芸術作品を、特定の人物や故人を顕彰するために贈る際の表現。
5.授与:勲章や称号、メダルなど、名誉や功績を称える品を正式に渡すときに用いられる語。
正式な場で、相手に物品を直接渡す場合に用いられる用語が多数を占めています。
「贈答」の同義語や代替表現など
続いて、「贈答」と似たような意味を持っているワードを紹介します。
2.手土産:訪問時に持参する小さな贈り物。訪問先への敬意や心配りを示す一つの慣習とされる。
3.お祝い:結婚や出産、合格など、喜ばしい出来事を祝うために贈る品物を指す。
4.お礼:感謝の気持ちを形にして渡す品物。相手の行為や厚意に対する返礼として使われる。
5.進物:古風な響きを持つ語で、大切な相手への贈り物を意味する。和の贈答文化や儀礼的な場でよく用いられる。
場所などを問わず、人に品物を贈る行為(または贈る品物)自体を指している用語が多いです。
まとめ
「贈呈」と「贈答」は、どちらも人に物を贈る行為を表しますが、ニュアンスや使われる場面が異なります。
・「贈答」:節目や行事、特別な日などに贈り物をやり取りすること全般。お中元・お歳暮・結婚祝いなど、感謝や祝福の気持ちを形にする場面で用いられる。
適切な言葉選びは、場の雰囲気や相手との関係性などをより良いものにします。
目的や状況を踏まえて使い分けることで、贈る側・受け取る側の双方にとって心地よいコミュニケーションが生まれるでしょう。