除夜の鐘が108回も打たれる理由とは?歴史的な背景や由来なども教えます

除夜の鐘の歴史的な背景や由来 文化/風習

新年を迎えるための重要な風習である「除夜の鐘」には、どのような意義が込められているのでしょうか?

この伝統には地域や寺院によってバリエーションがありますが、共通するのは新年を精神的に清新な状態で迎えることの重要性でしょう。

そして、鐘が108回も打たれる理由と、その鐘を打ち始める正確な時間について探っていきます。

「除夜の鐘」の由来

「除夜の鐘」は、大晦日に特定の寺で行われる仏教の行事です。

この鐘の音は、一年の罪や煩悩を消し去り、心を浄化して新年を迎えるためのものです。

「除」という字には「取り除く」という意味があり、「除日」とは古いものを取り除いて新しい年を迎える日とされています。

これにより、「除夜の夜」は新年を迎えるための重要な瞬間が象徴となっています。

この儀式は自己反省と新たな始まりへの心の準備のために行われ、多くの人々にとっては新年の価値を再確認する機会となるのです。

「除夜の鐘」の起源と風習

「除夜の鐘」の風習は、中国から日本に伝わったと言われています。

中国では、毎月の終わりに寺院で鐘を鳴らすことで精神を清める習慣がありましたが、特に宋時代からは年末の大晦日にも鐘が打たれるようになったとされています。

この鐘を鳴らす行事には、邪悪な霊や不運を払う意味もあり、特に「鬼門」(北東の方角)への封印の役割があったと考えられています。

鬼門は、悪霊が出入りするとされる方向で、大晦日にはこれを封じる重要な役割を除夜の鐘が果たしていたのです。

また、暦の上では12月から1月にかけての「丑」から「寅」への変わり目に鐘を鳴らすことには、新しい年が無事に迎えられるよう願いを込める意味があるとされています。

「除夜の鐘」が伝わった歴史的な背景

「除夜の鐘」は、鎌倉時代に中国の宋代から日本に伝わりました。

特に臨済宗や曹洞宗などの仏教宗派が広まるにつれ、この習慣も日本全国に広がりました。

江戸時代を通じて広く行われるようになり、明治以降も多くの寺院で続けられるようになりました。

中国では今日に至るまでこの風習が続いていますが、鐘を鳴らす寺院は減少傾向にあると言われています。

日本では広く定着しているこの風習は、現代でも多くの人々に受け継がれています。

これらの月が十二支に割り当てられており、特に冬至から新年にかけての期間に打たれる鐘は新たな年への門出を象徴し、多くの人々にとって新しい始まりを祝う貴重な瞬間です。

「除夜の鐘」を108回も鳴らす理由について

「除夜の鐘」を108回鳴らす理由にはいくつかの説がありますが、もっとも広く知られているのは「煩悩の数」に関連するものです。

煩悩の計算方法としての108回

煩悩の108という数字は、仏教における「六根」と呼ばれる6つの感覚器官(眼、耳、鼻、舌、身、意)に基づいています。

これらは三つの感情(好、悪、平)、清濁の状態(清、浄)、および時間軸(過去、現在、未来)に分けて計算され、「6×3×2×3=108」となります。

一年の象徴としての108回

別の解釈では、一年の月数(12)、二十四節気(24)、七十二候(72)を足した108という数が、一年を象徴する数字として用いられることがあります。

四苦八苦との関連

また、仏教で言う人生の苦しみ「四苦八苦」にも関連しています。

四苦(生、老、病、死)と八苦(愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦)を数字で表すと、「4×9=36」と「8×9=72」で、合計108となります。

これらの象徴的な意味合いが、除夜の鐘を108回鳴らす伝統に深く根ざしています。

新年を迎える際の「除夜の鐘」の打ち方と開始時間

新年の「除夜の鐘」を打つ時刻は、場所によって異なりますが、多くの地域では22時半から23時にかけて開始されることが一般的です。

「除夜の鐘」の打ち方には以下の方法があります。

1.大晦日の内に108回全てを打ち終え、清らかな心で新年を迎えます。
2.大晦日の内に107回を打ち、新年が始まる瞬間に最後の1回を打って新年を迎える。
3.大晦日の夜から始めて新年を迎える間に108回を跨いで打つ。

これらの打ち方は、各寺院の習慣や地域の風土に基づいて行われます。

「除夜の鐘」を正しく打つ方法とマナーについて

「除夜の鐘」は、僧侶のみが打つ場合もありますが、参拝者にも打つ機会を提供する寺院も多いです。鐘を打つ際には、以下のマナーを守ることが大切です。

1.順番を待つ間は静かにして、周囲への配慮を忘れないでください。
2.自分の順番が来たら、鐘の前で一礼し、手を合わせます。
3.鐘を1回だけ打ちます。
4.鐘を打った後、再度手を合わせ、新年への願いや決意を心に留めましょう。
5.打ち終わったら、次の人のためにすぐに場を譲ります。

一部の寺院では、僧侶が鐘を打つ際に立ち会い、正しい打ち方を教えることがあります。

打ち終わった後は、僧侶が手を合わせるので、それに応じて手を合わせるようにしましょう。

また、訪問者全員が鐘を打てるように配慮されている寺院では、108回を超えることもありますが、正確に108回を保つために整理券を配布することもあります。

訪問前には、その寺院の規則を確認することをお勧めします。

この新年には、自ら鐘を打って、新しい年を清らかな心で迎える素晴らしい経験をしてみましょう。

まとめ

今回は「除夜の鐘」の由来や108回打たれる理由などについてまとめました。

どのような背景で「除夜の鐘」が打たれるのか?…など理由を知ることによって、ありがたみも深まるはずです。

歴史や背景を思い浮かべながら、新年を迎えることをおすすめします。

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