新幹線の車両の両端、乗降ドアの内側には「デッキ」と呼ばれるスペースが存在します。
このデッキについて、「名前は知っているけど具体的にどこなのか分からない」「何に使う場所なのかピンとこない」という方も少なくありません。
デッキの存在自体は広く知られていますが、そこでの正しい過ごし方やマナーなどについては意外と認識されていないことも多いものです。
そこで本記事では、新幹線デッキの場所や設備、さらに食事や立ち乗りに関するマナーを詳しくご紹介していきます。
新幹線デッキの位置と設備について
新幹線を利用する際、「デッキはどこにあって、何が備わっているのか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
デッキは車両の両端にあり、客室の外側にあたるスペースとなっているため、座席がある通路とは異なり、注意して利用する必要があります。
デッキには、トイレ、洗面所、多目的室、ゴミ箱、公衆電話、AEDなどの設備が整っています。
これらを上手に活用すれば、車内での移動や休憩がより快適になること間違いなしでしょう。
なお、トイレの「使用中」ランプが点灯しているときは、空くまで待つことが大切です。
これは、意外と見落としがちなポイントなので、注意して確認するようにしましょう。
このようにデッキは単なる通路ではなく、設備が充実した便利なスペースです。
正しい知識とマナーを身につけて、より快適な新幹線の旅を楽しみましょう。
新幹線内のデッキ利用時に気を付けるべきルールなど
新幹線内のデッキを利用する際に気を付けておくべきことについてまとめていきます。
注意点その1:電話利用と音に関するマナー
新幹線の車内では、通話はデッキで行うのが基本的なマナーとなっており、座席での通話は周囲の迷惑になるため避けましょう。
実際に、車内での通話が原因でトラブルになったというケースも聞いたことがあります。
デッキは通話がしやすい環境ではありますが、走行音やアナウンスが響きやすく、決して静かな場所とはいえません。
したがって、デッキであっても大声で話すのは控えて、短時間で済ませるのが理想です。
緊急時以外の長時間通話は避け、他の乗客に配慮しながら利用するようにしましょう。
注意点その2:飲食に関するマナー
新幹線の移動は長時間にわたることも多いため、途中で食事をとる乗客は少なくありません。
座席での食事は比較的自由ですが、デッキでの飲食には細心の注意を払う必要があります。
デッキで食べる場合は、匂いやゴミなどが少なく、扱いやすい軽食を選ぶようにしましょう。
例えば、おにぎり、サンドイッチ、フタ付きの飲み物であれば周囲への影響も最小限に抑えられます。
さらに、デッキは非常時の避難通路も兼ねているため、通行を妨げないように心がけましょう。
また、人の出入りが多いため、汚れやほこりが気になることも考慮が必要です。
快適な空間を保つために、周囲に配慮した飲食を心がけることが大切です。
注意点その3:ベビーカーの持ち込みに関するルール
新幹線では、ベビーカーの持ち込みが認められており、小さな子ども連れの移動に便利です。
子どもと一緒の旅行をする際は、ベビーカーを利用することも多くなるかと思われますが、いくつかの注意点があります。
まず、デッキや共用スペースにベビーカーを置くのは避けておくようにしましょう。
通行の妨げになる可能性があるため、使用しないときは必ず折りたたみ、通路を塞がないようにします。
さらに、移動中は車輪のストッパーをきちんとかけて、予期せぬ動きを防ぐことも重要です。
こうした基本的なマナーを守ることで、他の乗客と快適に車内を共有できます。
注意点その4:大型荷物の持ち込み規定
新幹線では、大きな荷物も条件を満たすことで、内部に持ち込むことが可能です。
サイズは「縦・横・高さの合計が250cm以内」「長さ2m以内」「重さ30kg以内」とされています。
このルールは、自転車やスキー板などのスポーツ用品などにも適用されます。
自転車を持ち込む場合は専用カバーに収納し、スキー板は2本をまとめて固定するのが望ましいです。
荷物はデッキや荷物置き場を利用し、他の乗客の移動や快適性を損なわないように注意しましょう。
こうした心配りが、全員が気持ちよく過ごせる車内環境づくりにつながります。
注意点その5:デッキで座るのはマナー違反
新幹線のデッキで座り込む行為は、基本的に望ましくないので、座り込まないようにしましょう。
デッキは多くの乗客が通行するエリアであり、そこに座り込むと他の利用者の邪魔になるためです。(特に折りたたみ椅子や敷物などを広げるような行為は絶対に避けるべきです。)
かつて在来線で、男子学生や酔っ払いなどが通路に座り込んで周囲に迷惑をかけていた光景を見たことがありますが、それと同じくらい配慮に欠ける行動といえるでしょう。
新幹線では、すべての乗客が快適に過ごせるよう、互いにマナーを守ることが大切です。
新幹線の自由席以外(指定席やグリーン車など)のデッキについて
新幹線の自由席以外(指定席やグリーン車など)におけるデッキ利用時のルールについても紹介します。
新幹線の指定席デッキで立ち乗りはできるのか?
新幹線の自由席が満席になった場合、「指定席車両のデッキで立ってもよいのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
基本的には、新幹線における指定席デッキでの立ち乗りは認められていません。
ただし、年末年始やお盆などの混雑期には、車掌やJRの判断で一時的に立ち乗りが許可されるケースもあります。
実際に、知人が繁忙期に「指定席デッキでの立ち利用を一時的に認めます」というアナウンスを聞き、その指示に従って利用したことがあるそうです。
とはいえ、指定席券を持たずに指定席デッキに立ち入ることは、通常は認められないため注意が必要です。
グリーン車やグランクラスなどでのデッキ利用ルール
グリーン車やグランクラスのデッキは、該当する車両の切符を持つ乗客のみが利用可能で、一般乗客は入れません。
これらの車両は追加料金が必要な上級クラスであり、そのデッキも特別な空間として扱われます。
特例として車掌の判断で許可が出る場合もありますが、基本的には静寂と快適さを守るため、デッキの出入りは厳格に制限されています。
高級席を利用する乗客のプライバシーと快適性を損なわないようにマナーを守ることが求められます。
立席特急券について
一部の新幹線路線では、全席が指定席のため、座席がすべて埋まった際に「立席特急券」が販売されることがあります。
例えば、東北新幹線の「はやぶさ」や「はやて」、秋田新幹線の「こまち」、北陸新幹線の「かがやき」などが対象です。
このチケットを持っている乗客は、指定されたデッキでの立ち乗りが認められますが、他の車両への移動は制限される場合があります。
座席が完売したときにのみ「みどりの窓口」で購入できるため、混雑期に利用を検討している方は事前に確認しておくと安心です。
まとめ
今回は、新幹線におけるデッキの場所、設備、マナーなどについてまとめました。
新幹線のデッキは、単なる通路ではなく、旅を快適にするための重要なスペースです。
・立ち乗りルール:自由席が満席の場合でも、指定席デッキでの立ち乗りは原則禁止。ただし、混雑期に限り車掌の指示で許可されることがあります。
・飲食マナー:デッキでの食事は最小限に。軽食やフタ付き飲料を選び、通行の妨げにならないよう配慮が必要です。
・ベビーカーや大型荷物:共用スペースを塞がないように収納や固定を徹底しましょう。
・通話や騒音対策:デッキでの電話は可能ですが、周囲の騒音や他の乗客への配慮を忘れずに。
・座り込み禁止:デッキは緊急通路も兼ねるため、座り込みはマナー違反です。
デッキの正しい使い方を理解しておくことで、他の乗客への迷惑を避けながら、より快適でスムーズな移動が可能になります。
利用する際は、ルールとマナーを守って、気持ちの良い新幹線の旅を楽しみましょう。