夏休みの宿題として読書感想文をAIを利用して手早く完成させるのは魅力的ですが、その方法が教師によって見抜かれるリスクを含む可能性があります。
本記事では、ChatGPTで読書感想文を作成する際に生じる具体的なリスクと、教師によってその手法が認識される可能性について詳細に説明しています。
文体、漢字の使用、文章の流れなど、多くの教師は生徒の特徴を見抜く洞察力と分析技術を持っています。
そのため、AIによる文章が教師に容易に識別されるかもしれません。
AIの便利さと教育的な課題との間でどのようにバランスを取るかについての考察も含まれています。
ChatGPTで作成した読書感想文が教師に識別されるリスク
多くの生徒が夏休みの課題を効率よく終わらせたいと考えています。
その一環としてChatGPTを使う方法が考えられますが、これが思いの外、困難な挑戦である可能性があります。
教師に明るみに出るリスク
直言しますが、ChatGPTで書かれた読書感想文が発見されるリスクは非常に高いです。
現時点でそのような手法を認めている教育機関はほとんどないため、そもそも試みるべきではないかもしれません。
この行為は教師との信頼関係を損ねる可能性があるので気を付けましょう。
以下に、何故そのような事が起きるのか？という具体的な理由を詳述します。
教師が気づく幾つかの理由
ChatGPTを利用して読書感想文を作成しても、教師が気付く場合が多いです。
その理由について幾つか挙げてみましょう。
・漢字の使用における差が明らかな場合がある
・不自然さが感じられること
教師は各生徒の文書の特徴をある程度理解しており、通常と異なる表現を使用した場合、不自然と感じるのです。
さらに習っていない漢字の使用や文章の構成が不均衡な場合、それが顕著になるにつれ、発見される可能性が高まります。
教師の経験と分析能力
教育現場での長い経験から、教師は提出された作品に対する洞察力を磨いています。
読書感想文で何か異常を感じた場合は、詳細な調査が行われることが予想されます。
また、人間とAIが生成した文章を区別するツールが存在し、一度疑いを持たれた時点で発覚する可能性が高くなります。
ChatGPTを使用した読書感想文の作成手順
ChatGPTで読書感想文を作成する手順について詳細に解説していきます。
例として、OpenAIのGPT-4を使い、「走れメロス」の読書感想文を作成する方法を見ていきましょう。
まず、パソコンやスマートフォンからインターネットブラウザを開き、OpenAIのウェブサイトにアクセスします。
ChatGPTが利用可能なURLは次の通りです：https://chat.openai.com/です。
初めての場合、ChatGPTを使用する前にアカウント登録が必要ですが、このプロセスは無料で行うことができます。
アカウントを設定すれば、さまざまな用途で活用できるようになります。
登録には「Sign up」ボタンをクリックし、Googleアカウントを持っている場合はGoogleログインを利用すると簡単です。
通常の登録手続きを行う場合は、メールアドレスを入力し、「Continue」をクリックして進めると、約3分で完了します。
登録が完了したら、https://chat.openai.com/に再アクセスしてログインし、読書感想文の作成を開始します。
次にChatGPTに対して読書感想文の作成を依頼するためのテキストを入力する際の例文を提供します。
入力後はエンターキーを押して応答を待ちます。
ChatGPTを使用した読書感想文の実験レポート
ChatGPTを活用して読書感想文を作成する体験を試みた結果、どのようなものになるかを探りました。
今回は中学一年生が『走れメロス』についての感想文をChatGPTに依頼した場合の結果を確認しています。
指示内容：『走れメロス』に関する400字の読書感想文作成
想定される中学一年生として、『走れメロス』についての感想を依頼しました。
読書の動機、本の概要、印象に残ったシーンや言葉、個人的な体験との関連性に焦点を当てて話を進め、学んだことや今後の生活への影響についても述べてもらうよう指示しました。
ChatGPTによる読書感想文（中学一年生バージョン）
ChatGPTは約1分で回答を提供しました。提出された文章は以下の通りです。
私が「走れメロス」という作品を選んだ理由は、友情と信頼の大切さを改めて感じたかったからです。この物語は、主人公メロスが友人の命を救うために王から与えられた条件を果たすべく奔走する姿を描いています。友人を信じ、期限までに戻ると約束し、その約束を守るために全力を尽くすメロスの姿が心に強く残りました。
特に印象深いのは、メロスが途中で出会った様々な困難や試練に直面しながらも、決してあきらめずに走り続けるシーンです。この部分は、私が小学校の運動会でリレーのアンカーを務めた時のことを思い出させます。仲間が見守る中、私もメロスと同じように一生懸命に走り、最後まで諦めませんでした。
この物語から学んだ大切なことは、どんなに困難な状況でも信じた道を進む勇気と、人を信じる心の重要性です。メロスが王に対して示した信頼が、最終的に王の心を動かしたように、私も人を疑うことなく信じることの大切さを改めて認識しました。
今後は、「走れメロス」で学んだ信頼と友情の価値を大切にし、困難な状況に直面した時でも諦めずに努力を続けることで、自分自身を成長させていくことを心掛けたいと思います。この物語を通じて得た教訓は、これからの学校生活や友人関係の構築にも生かしていきたいです。
この応答は、その短時間で集約された要点が印象的で、質の高い文章であることがわかります。
ただし、ChatGPTは指示ごとに異なる回答を提供するため、一貫性を期待する際は注意が必要です。
ChatGPTによる読書感想文（小学二年生バージョン）
さらに、小学二年生向けの内容に変更してみると、文体がより子供向けになりました。
これを通じて、同じ指示であっても表現が変化することが明らかになります。
私が『走れメロス』を選んだ理由は、友情の大切さを改めて感じたいと思ったからです。この本は、主人公メロスが友人のために命をかける話です。メロスは、友人シラクスの身代わりとして処刑されることになり、その間にメロスが王のところに戻って来なければ、シラクスが代わりに死ぬことになっていました。しかし、メロスは約束の時間までに必死で駆け戻り、友人を救います。
特に心に残ったシーンは、メロスがさまざまな障害に遭遇しながらも、決して諦めずに走り続ける部分です。このシーンは、私が小学校の運動会でリレーのアンカーを務めたときを思い出させてくれました。そのときも、チームのために最後まで全力を尽くしました。
『走れメロス』から学んだことは、どんな困難があっても信じた道を進む勇気と、友達を信じる大切さです。今後、私は友達が困っているときにはすぐに助けに行き、困難にぶつかったときも諦めずに前に進む勇気を持ち続けたいと思います。このように、メロスのように生きることで、より多くの人と深い絆を築けると信じています。
年齢に応じて感じ方が変わるため、表現も異なり、物語の理解において年齢が重要な役割を果たすことが分かります。
ChatGPTを用いた読書感想文作成の問題点
ChatGPTによる読書感想文が、時には本の内容と異なる回答を生成してしまうことがあり、これが大きな問題となることがあります。
間違った情報をもとにした感想文が生成されると、その文書の信頼性は著しく低下します。
また、年齢不相応の言葉遣いや、まだ学習していない漢字の使用など、ターゲット読者に合わない内容が含まれるリスクも存在します。
・年齢に不適切な言語表現の使用
・学習済みでない漢字の使用が見られる
教育機関によっては、ChatGPTの使用を完全に禁止している場合もありますが、その利用を推奨する学校も存在します。
したがって、使用する前には、その教育機関のルールをよく理解し、守ることが求められます。
もし禁止されているにもかかわらずChatGPTを使用してしまった場合、その事実が発覚したときの結果は非常に厳しいものになります。
特に、コンテストなどでChatGPTで作成した感想文が認められた場合、その後の問題が大きくなる可能性があります。
具体的な問題としては、学校からの懲戒処分だけでなく、保護者が学校を訪れることや、反省文を書くことなどが考えられます。
現在のところ、ほとんどの教育機関ではChatGPTを使った課題の提出は推奨されていないため、原則としては使用を避けるべきです。
使用する場合は、創作の一環としての参考にとどめ、直接提出することは避けるべきです。
また、感想文を作成した後は、家族や友人に読んでもらい、フィードバックを得ることで、文中の不自然な表現を修正することが重要です。
まとめ
今回はChatGPTで読書感想文を書くと教師にバレるのかどうかについてまとめました。
まさに夢のようなツールなため、特に学生なら課題を提出する時などに頼りたくなるかと思われます。
ChatGPTを活用することで質の高い読書感想文を書くことが可能ではあるのですが、書き手の実年齢に不相応なテイストになってしまうケースも多いので、学生の課題として使用するのは避けておくのが無難でしょう。
