手作りジャムを作る際の楽しみの一つは、季節ごとのフルーツを使って自分の好みに合わせて甘さや量を調整することができる点です。
また、添加物を使用しないで作ることができるため、市販の商品と比べて安全性も高いように感じられます。
ただし、作り方によっては予想外の結果になってしまうことも少なくありません。
特にジャムが適切に固まらずにゆるくなってしまい、失敗したと感じるケースは、よくあるのではないでしょうか?
本記事では、手作りジャムが固まらない原因、その対策方法、再利用方法などを紹介していきます。
手作りジャムが固まらない主な原因
ジャムを作る際、煮詰める段階で、適切に固まらないケースがあります。
これは、ペクチン、酸、糖の三つがバランス良く含まれていないことが原因です。
原因その1:ペクチンが不足している
ジャムが適切に固まるためには「ペクチン」という成分が必要不可欠です。
以下の理由でペクチンが不足すると、ジャムが上手く固まりません。
・ペクチンが加熱で壊れた
市販のペクチンパウダーを加える、ペクチンが豊富なリンゴやレモンなどの皮を一緒に煮る、ペクチンの多い果物と混ぜることで改善することが可能です。
原因その2:酸が不足している
ジャム内のペクチンが、ゲル化するには、酸(pH3.0前後)が必要となります。
使用する果実に十分な酸を含んでいない場合、ジャムはしっかりと固まりません。
レモン汁を加える(小さじ1〜2杯が目安)、酸味の強い果物(例えばレモンやオレンジ)を少し混ぜるなどして、酸をプラスするといいでしょう。
原因その3:糖が不足している
砂糖は加熱することで固まる特性を持っていますが、砂糖を減らすことでカロリーを抑えることができる一方、ジャムが固まりにくくなる可能性が高くなります。
砂糖は甘みを提供するだけでなく、ジャムに適切なとろみをもたらす役割もあります。
低糖ジャムは固まりにくいため、果物の重量の40~50%程度の砂糖を加えるといいでしょう。
また、グラニュー糖を使用することで、ペクチンが均一に作用しやすくなります。
ジャムが上手く固まらない時の解決方法
ジャムが期待どおりに固まらなかった場合は、追加の成分を加えてもう一度煮込むことで、理想的な固さになるはずです。
ペクチン、酸味料、糖分などを補いながら再度煮詰めていくといいでしょう。
ジャムを適切に固めるためには、100℃を超える温度でしっかりと加熱することが必要です。
この過程で、均一に混ぜるために木製のスプーンを使って注意深くかき混ぜることが大切です。
・「砂糖」で甘さを調節する
・「ペクチン」でジャムの固さを調整する
特にペクチンが不足している場合、市販のペクチンパウダーを追加することが推奨されます。
リンゴから作られている粉末ペクチンは手軽で、私もよく使用しています。
固まらなかったジャムの再利用方法
固まらなかったジャムは、破棄せずに「果実ソース」として再利用することをお勧めします。
再利用方法その1:トーストやパンケーキのソース
果実ソースは、ジャムと同じようにトーストやパンケーキなどのソースとして活用しても違和感がありません。
・パンケーキ・ワッフルのシロップ代わりに
・フレンチトーストにかける
甘酸っぱい味わいを簡単にプラスできるので、トーストやパンケーキの味がワンランクアップするはずです、
再利用方法その2:デザートのソース
この果実ソースは、ヨーグルトやアイスクリームなどのデザートにかけても美味しいです。
・クレープのフィリングに
・マフィンやパウンドケーキの生地に混ぜる
・ヨーグルトと混ぜる
・アイスクリーム(バニラアイス)にかける
家庭での楽しみ方としては、「果実ソースを使ってみました」と伝えて、アイスにかけてみるのがおすすめです。
再利用方法その3:サラダや料理のソース
果実ソースをサラダや料理などのソースとして活用するのもおすすめです。
・フルーツドレッシングとして使う(オリーブオイル・酢と混ぜる)
・チーズとの相性も抜群!(カマンベールやクリームチーズと一緒に)
「果実ソースはって肉料理と合うの?」と意外に思われるかもしれませんが、合うのです。
ステーキやハンバーグなどに添えることで、通常とは違った風味を楽しめるでしょう。
大手ジャムメーカーのアヲハタも、同様の肉料理向けの果実ソースを提供しており、その味は評価されています。
再利用方法その4:ドリンクアレンジ
この果実ソースは、ドリンクに混ぜても美味しくなるので、お試しください。
・スムージーやミルクシェイクのフレーバーに
特にスムージーなどの果物を入れるドリンクの場合は、違和感なく活用できるでしょう。
いずれもジャム作りで失敗したことは、小さな秘密にして、あくまでも「果実ソースを作った」ことにしておくのがベストです。
まとめ
本記事では、手作りジャムが固まらない原因、その対策方法、再利用方法などについてまとめました。
ジャムが固まらないのは、ペクチン、糖、酸のどれかが不足していることが原因となっている可能性が高いです。
ペクチン(市販のペクチンパウダーなど)をプラスする、糖(砂糖やグラニュー糖など)を追加する、酸(レモン汁など)をプラスすることで、上手く固まるようになります。
そして、ジャム作りに失敗して、ゆるいジャムが完成してしまった場合でも、デザートや料理などのソースとして再利用するといいでしょう。
このようにゆるいジャムも果実ソースとして有効活用できる…つまり、失敗しても良い結果になるので、楽しくジャム作りができるようになるはずです。