新生活のスタートを切るこの季節(4月)は、お子さんの入学を迎えるご家庭も多いことでしょう。
そんな中、ありがたいことに「入学祝い」を頂く機会も増えてくるのではないでしょうか?
でも、その一方で「お礼ってどうすればいいの?」と戸惑う方も少なくないようです。
実は、マナーの観点から見ると、子どもの入学祝いに対して「必ずお返しをしなければならない」という決まりはありません。
冠婚葬祭に関するマナー本やサイトをチェックしても、「基本的にお返しは不要」と記載されていることが多いです。
とはいえ、「もらいっぱなし」は何となく心苦しい……と感じる方も多いのではないでしょうか?
相手によっては、「何かお礼があるのかな?」と期待している場合もあるかもしれません。
特にご近所づきあいや、職場の上司といった関係性では、失礼のない対応をしたいところです。
そこで本記事では、「どんなお礼を選べばよいか分からない」という方に向けて、具体的なケースや参考になるアイデアをご紹介していきます。
ご近所さんから「入学祝い」を頂いた時はどうすればいいのか?
地域によって異なりますが、ご近所の方から入学祝いを頂いた場合、お礼の仕方に迷う方も多いのではないでしょうか。
一昔前までは、赤飯を炊いて「内祝い」として近隣に配るという習慣が見られましたが、今ではそういった風習もだんだん減ってきました。
それでも、何かしらの形で感謝の気持ちを伝えるのは今も大切な心遣いです。
ご近所さんにどのタイミングでお礼を贈るべき?
ご近所さんに入学祝のお礼を贈る際は、なるべく間をあけずに「入学式が終わった後、1~2週間以内」を目安に贈るとよいでしょう。
入学という節目が無事に終わったことを報告できるため、タイミングとしてちょうど良いとされています。
お礼状やお返しの品には「無事に入学できました」という文言を入れやすくなります。
もし入学式より前にもらった場合は、ひとまずすぐに口頭や電話でお礼を伝えておきましょう。
その後、入学後に改めて「内祝い」として品物を贈るのが丁寧な対応です。
多少遅れてしまっても、「入学準備や新生活でバタバタしてしまい、ご挨拶が遅れて申し訳ありません」と一言添えれば、丁寧な印象になります。
・入学後(式後):もらってから1週間以内にお礼の言葉 → 品物とお礼状を贈る
・時間が少し経ってしまった場合:遅れたことを詫びつつ、お礼の言葉と品を届けるのが◎
可能であれば、お子さんと一緒にお礼に伺うことで、今後のご近所づきあいもよりスムーズで温かいものになるかもしれません。
ご近所さんへのお礼としておすすめのギフト
一般的なお礼の目安としては、いただいた金額の3割から5割程度の品を贈るのが無難とされています。
地域によっては「半返し」が基本とされている場合もありますが、たとえば1万円のお祝いには3,000~5,000円ほど、5,000円なら1,500~2,500円程度の品で十分でしょう。
ご近所から「入学祝い」をいただいた際のお礼(内祝い)のギフトは、相手との関係性や地域の風習にもよりますが、以下のような「消えもの」や「実用的な品」が一般的で、気を遣わせず喜ばれやすいです。
・コーヒーや紅茶などの飲み物ギフト
・タオル(今治タオルやちょっと上質なもの)
・食器用洗剤や石けんのギフトセット
百貨店のギフトコーナーや食品売り場などを覗いてみると、ちょうど良い品が見つかるかもしれませんよ。
職場の上司から「入学祝い」を頂いた時はどのようにお礼すべき?
職場の上司から「入学祝い」を頂いた場合は、ビジネスマナーや礼儀をしっかり意識したお礼が大切です。
お礼をする場合は、以下のような対応を心がけておくといいでしょう。
上司にお礼を行う時の基本マナー
できるだけ早く、上司に対面(または電話)で直接お礼を伝えるようにしましょう。
メールやチャットなどで済ませず、まずは口頭で「ありがとうございました」と感謝を表現するのが礼儀です。
お礼の一言(例)は、以下の通りとなっています。
このたびは、子どもの入学に際しましてお心遣いをいただき、本当にありがとうございました。家族共々とても感謝しております。
上記の例文のように心を込めてお礼を述べることをおすすめします。
上司に贈るお礼の品は何がいいのか?
職場の上司から入学祝いをもらったとき、「きちんとお返ししなくては」と気を遣いすぎて、つい高価な品を選びたくなってしまう方もいるかもしれません。
ですが、かえってそれがマナー違反になってしまうケースもあるので、気を付けましょう。
ある調査によると、「入学祝いのお返しで気になったこと」として最も多かったのが「ずいぶん時間がたってから届いた」、次いで「明らかに高価すぎるお返しが届いた」という声でした。
つまり、タイミングが遅すぎたり、いただいた金額以上の品を贈ったりすると、かえって気を使わせてしまう可能性があるのです。
基本的な目安としては、頂いた額の3割〜5割程度の品を、1か月以内を目安に贈るのがよいとされています。(これは、ご近所の場合と同様です。)
上司へのお返しの場合は、相手の趣味や好みに合わせた品を選ぶのがポイントです。
・コーヒー好きの上司には、こだわりのコーヒー豆セット
・単身赴任中の上司には、実用的なタオルや洗剤のギフト
・温泉好きの上司には、自宅で使える入浴剤の詰め合わせ
・ゴルフ好きの上司には、名入れのゴルフ小物など
相手のライフスタイルを思い浮かべながら選ぶと、印象の良いお礼になります。
また、職場で手渡しが難しい場合や大きな荷物になる場合は、宅配を使うのもひとつの手です。
受け取る側にとっても負担が少ないので、スマートな対応と言えるでしょう。
上司へのお礼状を添える(手書きが丁寧)
簡潔でいいので、心を込めたお礼状を添えるとより丁寧です。
お礼状(上司向け)の例文サンプルは以下の通りとなっています。
拝啓
春暖の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
このたびは、子どもの入学に際しまして、過分なお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。
本人も無事に入学式を終え、新しい生活に胸を膨らませております。
心ばかりではございますが、感謝の気持ちを込めて内祝いの品をお贈りさせていただきました。
今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。敬具
このように感謝の気持ちをしっかり表すことが一番大切です。
まとめ
今回は、ご近所さんや職場の上司から入学祝を頂いた際、どのようにお礼をすればいいのかについてまとめました。
時代とともに「入学祝いのお返し」に対する考え方も少しずつ変わってきたとはいえ、誰かからお祝いをいただいたときに「ありがとう」の気持ちを形にするというのは、日本ならではの美しい習慣ではないでしょうか。
形式にとらわれすぎず、相手のことを思い浮かべながら「何を贈ったら喜んでもらえるだろう」と考える時間そのものが、心のこもったお返しにつながります。
また、お祝いをくださった方の気持ちに目を向けてみると、「この子の門出を応援したい」「何かしてあげたい」という温かい想いが見えてくるかもしれません。
受け取った喜びに感謝の気持ちを添えて、贈る側も受け取る側も心地よくなれるような、そんなやりとりができると素敵ですね。