自家製の梅ジュースや梅シロップは、子どもから高齢者まで幅広い世代に親しまれ、夏の疲れを癒す飲み物としても知られています。
しかし、その爽やかな味わいから、ついつい飲みすぎてしまうことがあるのも事実でしょう。
梅ジュースや梅シロップは、体にうれしい効果がある一方で、飲み方を誤ると健康に悪影響を及ぼすこともあるので気を付けなければなりません。
本記事では、梅ジュースや梅シロップに期待できる健康効果、注意点、そして適切な飲み方などについて詳しく解説していきます。
梅ジュースや梅シロップの飲みすぎは良くないのか?
梅ジュースや梅シロップは、夏バテや食欲不振時に心地よい酸味でリフレッシュできる飲み物です。
ただし、その飲みやすさが裏目に出て、ついつい過剰に摂取してしまうことがあります。
梅ジュースや梅シロップを作る際には、梅だけじゃなく、大量の砂糖を使用するのがポイントです。
これを水や炭酸などで割って飲むことになるため、糖分の摂りすぎによる肥満や血糖値上昇のリスクが懸念されます。
飲み物全般に言えることですが、何事も「適量」を飲むことが大切です。
日頃の食生活を踏まえたうえで、1日の摂取量を意識するようにしましょう。
特に胃腸が弱っている時には、炭酸ではなく水で割って飲むほうが無難です。
要するに、デメリットを防ぐ最大のポイントは「飲み過ぎない」ことに尽きます。
ポイントその1:「適量」で楽しむようにする
梅ジュースや梅シロップは、疲労回復や食欲増進、アンチエイジングなど、さまざまな健康効果が期待できます。
ただし、砂糖が多く含まれるため、飲みすぎるとカロリー過多や血糖値上昇の原因になることもあります。(そのため、1日1杯程度を目安に取り入れると安心です。)
自家製の梅ジュースや梅シロップを上手に活用して、健康的で美味しい梅ライフを楽しみましょう。
ポイントその2:飲むベストタイミングを見極める
梅ジュースや梅シロップは基本的にいつ飲んでも構いませんが、より高い効果を得たいなら、朝食や昼食のタイミングで一緒に摂るのがおすすめです。
食事中に取り入れることで、栄養の吸収を助けるだけでなく、梅ジュースや梅シロップの持つ疲労回復効果も活かしやすくなります。
また、運動後に飲めば、クエン酸の働きによって体のリフレッシュにもつながります。
ポイントその3:空腹時や就寝前は飲むのを控えておく
梅ジュースは基本的にいつでも飲めますが、空腹時や寝る前は量に注意が必要です。
梅シロップは体内で代謝される過程で酸性からアルカリ性へと変化しますが、空腹時にたくさん飲むと胃に負担を与えることがあります。
さらに、就寝前は唾液の分泌が減るため、梅に含まれる酸が歯のエナメル質にダメージを与える可能性もあります。
そのため、食事中や食後に適量を飲むのが最も安心でしょう。
梅ジュース&梅シロップに含まれる栄養素とその働き
梅には、体に嬉しい成分が含まれていることもあり、健康的な食べ物だと知られています。
主な成分であるクエン酸・ビタミンE・カリウムなどの具体的な作用をチェックしておきましょう。
成分その1:クエン酸
クエン酸は、筋肉疲労の原因となる乳酸を分解し、エネルギー代謝をサポートします。
また、血液の酸性化を防いで、血流を促進くれる他、ミネラルやビタミンの吸収まで助けてくれるという強みも持っています。
老化防止、美肌効果、食欲増進などあらゆる健康要素に役立つと言えるでしょう。
成分その2:カリウム
カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、むくみや高血圧の改善に役立ちます。
心臓や筋肉の正常な働きにも欠かせない成分だと言っても過言ではないでしょう。
成分その3:ビタミンE
強力な抗酸化作用を持つビタミンEは、血管や細胞膜の酸化を防ぐことができます。
これにより、動脈硬化や血栓の予防、血圧の安定、悪玉コレステロールの減少に貢献します。
また血行促進作用によって、肌のターンオーバーを整える効果も期待できます。
これらの栄養素を効率よく摂るには、1日1杯程度の梅ジュースが目安です。
適量をきちんと守って飲めば、健康維持にとても心強い飲み物となるでしょう。
梅ジュース&梅シロップを作る際の注意点について
自家製の梅ジュースや梅シロップは、青梅を砂糖と一緒に漬け込み、ゆっくりとエキスを抽出して作ります。
しかし、この過程を誤るとカビが生えたり、腐敗が進んで食中毒のリスクが高まる恐れがあります。
正しい手順を守れば安全に作ることが可能なので、ポイントを押さえておきましょう。
注意点その1:熟成期間を見極める
自宅で仕込む梅ジュースや梅シロップは、梅酒や梅干しのように長期熟成させる必要はありません。
梅を砂糖と一緒に漬けてからおよそ1週間〜10日くらいで良い飲み頃になります。
ただし、それ以上漬け込むと梅が発酵を続けてしまうため、10日程度で梅を取り出すのが理想的です。
注意点その2:水分管理を行うようにする
梅ジュースや梅シロップ作りで最も重要なのは、水分をしっかり取り除くことです。
洗った青梅は一粒ずつ丁寧に水気を拭き取り、しっかりと乾燥させましょう。
保存容器も同様に完全に乾かすことが必要です。これを怠ると、カビや腐敗の原因になります。
注意点その3:容器の殺菌は必須
容器を水洗いするだけでは、残った雑菌が発酵や腐敗の原因になることがあります。
煮沸消毒やアルコールでの拭き取りなど、徹底的な殺菌を行うようにしましょう。
注意点その4:こまめに混ぜるようにする
梅を砂糖と一緒に漬けたら、1日に1〜2回程度軽くかき混ぜておくのが理想的です。
混ぜないまま放置すると砂糖が底に沈み、発酵やカビのリスクが高まるだけでなく、梅のエキスが均等に出なくなってしまいます。
注意点その5:適切な場所で保存するようにする
梅ジュース&梅シロップは直射日光や高温を避け、涼しく暗い場所で保管するようにしましょう。
高温の場所に置いた場合、発酵が早まって風味が損なわれてしまう原因となります。
注意点その6:青梅の毒性について理解しておく
未熟な青梅には「アミグダリン」という成分が含まれており、体内で分解されると青酸を生じるため、中毒を起こす可能性があります。
とはいえ、通常の量であれば健康被害はほとんどありません。(しっかり砂糖に漬けることで毒性は軽減されるため、過度に心配する必要はありません。)
梅ジュース&梅シロップの3種類の保存方法
梅ジュースや梅シロップは、主に3種類の方法(以下参照)で保存することが可能となっています。
保存の仕方によって、日持ちが大きく変わるので、目的に応じた保存方法を選ぶといいでしょう。
保存方法1:常温保存
常温で保存する場合は、容器をきちんと殺菌し、直射日光の当たらない涼しい場所に置きましょう。
正しく管理すれば1年程度保存できますが、特に夏場は発酵やカビが発生しやすいため、こまめに状態を確認することが大切です。
保存方法2:冷蔵保存
梅ジュースや梅シロップを最も手軽な方法で安全に保存できる方法といえば、冷蔵保存でしょう。
殺菌した容器に入れて冷蔵庫に保管すれば、季節を問わず1年間ほど品質を保てます。
保存方法3:冷凍保存
さらに梅ジュースや梅シロップを長期間保存したい場合は冷凍保存をすることをおすすめします。
注意点としては、ガラス瓶は割れる恐れがあるため、タッパーなどのプラスチック容器を使うようにしましょう。
また、梅を丸ごと冷凍しておけば、使う分だけ解凍して梅ジュースを作ることも可能です。(例:1週間分ずつ小分けにして保存)
梅ジュース&梅シロップのアレンジメニュー一覧
梅ジュース&梅シロップはアレンジ次第で様々な楽しみ方ができるので、おすすめです。
アレンジ1:冷水割り
梅シロップを冷水で4〜5倍に薄めると、すっきりとした味わいが楽しめます。(さらに薄めれば、運動時のドリンクとしても活用できます。)
アレンジ2:炭酸割り
炭酸水で割ると爽やかな梅サイダーになり、夏場のリフレッシュドリンクとして最適でしょう。
アレンジ3:お湯割り
特に寒い冬場はお湯で割ることで体が温まるため、リラックス効果にも期待ができます。
アレンジ4:かき氷にかける
暑い季節には、かき氷に梅シロップをかけるだけで、さっぱりとしたデザートになります。
これらの他にも、牛乳に混ぜてラッシー風にしたり、ヨーグルトに加えるのもおすすめです。
まとめ
梅ジュースや梅シロップは、疲労回復や食欲増進、アンチエイジングなど嬉しい効果が期待できる一方で、砂糖の摂りすぎや作り方の不備による食中毒リスクといった注意点もあります。
大切なのは、以下の3つのポイントをしっかりと押さえておくことです。
・正しい保存・衛生管理
・自分の体調に合わせた飲み方(食後や運動後がおすすめ)
しっかりポイントを守れば、梅ジュースや梅シロップは毎日の生活を元気にしてくれる心強い味方になります。
季節や気分に合わせて、冷水・炭酸・お湯割りなど、好みのアレンジで楽しんでみてください。