暑中見舞いは、普段なかなか顔を合わせられない友人や知人、またはお世話になっている方々へ、感謝や気遣いの気持ちを伝えるための季節の便りです。
お中元の時期を逃してしまった場合でも、代わりに暑中見舞いや残暑見舞いとして挨拶を送るのが一般的です。
また、相手が喪中の場合は、四十九日が過ぎてから見舞いを出すのが礼儀だとされています。
その時期には自然と暑中見舞いまたは残暑見舞いなどといった形式で送ることとなるでしょう。
本記事では、暑中見舞い・残暑見舞いを出す時期の目安や、はがきの書き方、喪中の際のマナーなどについて詳しく解説していきます。
暑中見舞い・残暑見舞いを送る時期の目安
暑中見舞い・残暑見舞いを送る時期の目安は、以下の通りとなっています。
・残暑見舞いの時期:立秋以降〜8月末まで(8月16日〜8月31日頃)
8月15日までは暑中見舞いという形式になりますが、8月16日を過ぎると残暑見舞いを送るようにするといいでしょう。
お中元との関係について
地域によって、お中元を贈る時期は少し異なるので以下を確認しておいてください。
・関西地方:8月初旬〜8月15日頃
この期間を過ぎたら、暑中見舞いや残暑見舞いとして出すのが良いでしょう。
特に関西ではお中元の時期と暑中見舞いの時期が重なるため、送る時期を見計らって、8月中旬以降であれば「残暑見舞い」に切り替えるのがおすすめです。
送る地域による時期のズレに注意
自分が住む地域では梅雨明けしていても、相手の地域ではまだ明けていない場合があります。
梅雨明けの時期は年によってずれるため、天気予報などで確認しておくと安心です。
もし時期を少し過ぎてしまっても、あまり気にする必要はありません。(親しい相手なら「少し遅くなりましたが…」と一言添えれば、十分に気持ちは伝わります。)
このように、季節の節目に合わせて丁寧に便りを出すことは、相手への思いやりを表す大切なマナーです。
時期や書き方のポイントを押さえて、気持ちのこもった一枚を送りましょう。
暑中見舞いのはがきはどう書く?基本の構成と例文
暑中見舞いや残暑見舞いは、季節のごあいさつとして気軽に送るお便りです。
決まった書式や堅苦しいルールはありませんが、相手に失礼のないよう、いくつかの基本を押さえておくと安心です。
なお、「拝啓」「敬具」などの頭語や結語は、暑中見舞いでは使いません。(親しみを込めた語りかけの文体で構いません。)
暑中見舞いにおける文章構成の基本
はがきを書く際は、次のような流れを意識しておくといいでしょう。
・相手を気づかう言葉
・自分の近況報告やお知らせ(お礼・引越し・結婚など)
・結びの言葉
・日付
この5つを押さえるだけで、読みやすく温かみのある挨拶状になります。
暑中見舞いの例文サンプル
暑中見舞いを送る際の例文サンプルを紹介するので参考にしてください。
暑中お見舞い申し上げます。(やや大きめの文字で中央に)
厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
私どもは元気に日々を過ごしております。
まだまだ暑い日が続きますが、どうぞお体を大切にお過ごしください。
令和○年 盛夏(または「令和○年八月」「令和○年晩夏」「令和○年立秋」などでも可)
このような形でまとめると、見た目にも整い、読みやすい印象になります。
暑中見舞いを書く際の文章のポイント
暑中見舞いを送る際、難しい言葉を使う必要はないので安心して下さい。
形式よりも、「相手を思いやる気持ち」が伝わる文章であることが何より大切です。
短い一文でも、誠実に書かれた言葉はしっかりと届きます。
はがきの種類について
暑中見舞いには、夏季限定の「かもめ〜る」(※現在は販売終了)と呼ばれるはがきがよく使われていました。
夏らしいデザインや、くじ付きの仕様などが特徴で、受け取った相手にも季節感を楽しんでもらえる点が人気でした。
現在は通常の官製はがきや、季節の絵柄入りはがきなどを選ぶようにすると良いでしょう。
明るい色や清涼感のあるデザインを選ぶと、より印象的な一枚になるのでおすすめです。
喪中の方へ暑中見舞いを出す時の注意点
暑中見舞いや残暑見舞いは、あくまで「季節のあいさつ」や「健康を気づかうお便り」であるため、喪中の方に送っても問題はありません。
ただし、相手の心情に寄り添い、文面・デザイン・時期には細やかな配慮が必要です。
まず、送る時期は四十九日が過ぎてからが目安です。悲しみが少し落ち着いた頃に届くよう心がけましょう。
また、ハガキの絵柄は、派手な色や華美なイラストは避けておき、無地や落ち着いた色調のものを選ぶと安心です。
自分が喪中の立場でも、形式を整えて送ることは可能なので、お世話になった方への感謝やお見舞いの気持ちを伝えるために丁寧な言葉を選びましょう。
喪中の方への暑中見舞いの例文サンプル
喪中の方へ暑中見舞いを送る際の例文サンプルを紹介しておきます。
暑中お見舞い申し上げます。
このたびは○○様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様におかれましては、さぞお力落としのこととお察しいたします。
暑さの厳しい折、どうかお体を大切にお過ごしください。
心穏やかな日々が少しずつ戻られますよう、お祈り申し上げます。
令和○年 盛夏
喪中の方にお送りする場合は、華やかさよりも誠意と静かな気遣いを大切にしましょう。
形式よりも、相手を思う気持ちが素直に伝わる文章であれば、それが何よりの礼儀となります。
まとめ
暑中見舞いは、暑さが厳しい季節に「お元気ですか」という思いやりの気持ちを伝える、日本ならではの素敵な風習です。
出す時期は「梅雨明けから立秋の前日まで」、それを過ぎたら「残暑見舞い」として送るのが一般的です。
はがきの書き方に厳密な決まりはありませんが、相手を気づかう言葉と、日々の近況をさりげなく添えることで、心のこもった挨拶になります。
難しい言葉を選ぶよりも、誠実な一文を記すことが相手の心に響くでしょう。
また、喪中の方へのお便りも、季節のご挨拶として書いても差し支えありません。
なるべく華美な絵柄を避けておき、静かな文調で相手を思いやる内容にすることが大切です。
暑中見舞いは、形式よりも「気持ち」が何よりも大事となるので、それを心がけておいてください。
普段なかなか会えない相手に、心を込めた一枚を届けてみてはいかがでしょうか。
