「すだれ」と「よしず」の違いとは何なのか?選び方や使い分けのポイントも解説

「すだれ」と「よしず」の違いなど 暮らし

日本の暑い夏を快適に乗り切るための昔ながらの工夫として、「すだれ」と「よしず」が知られています。

この2つはどちらも日差しを遮りながら風を通すアイテムですが、それぞれの特徴や設置方法には明確な違いがあります。

本記事では、それぞれの利便性や使いどころ、涼しさを高めるためのヒントについて紹介していきます。

「すだれ」と「よしず」の基本的な違いとは?

どちらも自然素材を活かした遮光・通風のためのアイテムですが、形状や設置方法によって用途が分かれます。

エアコンに頼らず、自然な形で暑さをしのぎたい人にとって、暮らしに取り入れやすい選択肢といえるでしょう。

また、視線を和らげる効果もあるため、目隠しとしても活躍すること間違いなしでしょう。

素材の違い

「すだれ」は細く割った竹を編んで作られるもので、和の趣を演出しやすい素材です。

これに対し、「よしず」は葦(あし・よし)の茎を使って作られており、しなやかさと丈夫さが特徴です。

葦は天然素材で、現在では多くが海外からの輸入に頼っています。

サイズ感の違い

吊り下げて使う「すだれ」は比較的コンパクトですが、「よしず」は大型で、住居の外側に立てかけるためのサイズ感があります。

幅は約180cm、高さは270cmほどのものが一般的で、大型のものでは2メートルを超える場合も。

購入時は運搬手段や保管スペースも考慮する必要があるので注意して下さい。

使い方の違い

「すだれ」は主に吊り下げ式で、窓や軒先などに設置するのが一般的です。

一方、「よしず」は地面に立てかけるタイプで、縁側やベランダでの使用に適しています。

どちらも夏場の直射日光を防ぎつつ風を通すことができ、涼感を演出します。

設置スタイルの違い

「よしず」は壁や窓際に斜めに立てかけて使用するスタイルで、垂直方向に設置されることが多いです。

一方、「すだれ」は軒や窓枠などから垂らすように設置され、外からの日差しを遮るカーテンのような役割を果たします。

「すだれ」と「よしず」の性能比較

「すだれ」と「よしず」はどちらも夏の暑さ対策として活躍するアイテムですが、実用面での涼感には違いがあります。

「よしず」はその大きさと厚みにより、直射日光をしっかり遮ることができ、結果として室内の温度上昇を効果的に抑えます。

広範囲をカバーできるため、強い日差しを広くブロックしたい場面に適しています。

一方、風合いや雰囲気の点では「すだれ」が涼しげな印象を与えますが、実際の遮熱効果で見ると「よしず」に軍配が上がります。

かつての日本家屋ではすだれが活躍していましたが、現代建築ではよしずの方がより適している場面が増えています。

設置場所に応じた選択がカギとなる

設置する場所や目的によって、すだれとよしずを使い分けるのが効果的です。

たとえば、コンパクトな窓にはすだれがフィットし、庭や広めの開口部にはよしずが適しています。

ただし、よしずは広範囲をカバーする分、部屋の内部が暗くなりやすいという側面もあります。

海の家などでよく見られるように、よしずを建物の外に立てかけると、しっかりと日差しを遮る一方で、室内には薄暗さが残ります。

一方、すだれは長さを調節することで、日差しの入り方を加減することが可能。

必要に応じて外側や内側のどちらにも設置でき、視界や明るさをコントロールしやすいのが魅力です。

涼しさをさらに高める工夫とは?

あるマンションに暮らす知人の話では、日差しの強い窓にすだれを重ねて2枚使うことで、光をよりしっかりカットしているそうです。(特に西日が強い部屋などでは、この方法が効果的です。)

また、すだれを室外に取り付ければ、建物の外で熱をブロックできるため、室内の気温上昇を抑えられます。

取り付けにはフックが必要ですが、マグネットタイプのフックを使えば、金属製の窓枠などに簡単に固定できます。

室内設置の場合は、カーテンレールを利用すれば手軽に設置可能なので、おすすめです。

体感温度を下げる裏ワザ:よしずに水をかける

「よしず」を使う際にひと手間加えることで、さらに快適さが増します。

窓を開けた状態で、よしずに水をまくと、その気化熱効果により通り抜ける風が冷やされ、室内に届く風が約2℃ほど涼しく感じられるようになります。

これは、自然素材のよしずならではの利点です。表面に水分が残ることで、蒸発時に熱を奪い、冷感が生まれるのです。

ただし、この効果は天然素材のよしずに限られ、プラスチック製では得られません。

シーズンオフの収納対策

季節が移ると、すだれやよしずも片付けのタイミングがやってきます。(特にサイズの大きいよしずは保管場所の確保が重要です。)

使用しない期間には、直射日光や雨を避けた場所に立てかけたり、専用の収納袋を使ったりすると劣化を防げます。

また、設置したままにしておくと、台風や強風時に倒れるリスクもあるため、風が強くなる前に撤去できるような工夫も必要です。

日常的に出し入れしやすい場所を選んでおくと、急な天候の変化にも対応しやすくなります。

まとめ

「すだれ」と「よしず」は、どちらも日本の夏に欠かせない伝統的な遮光・通風アイテムですが、それぞれに異なる特長があります。

設置場所や用途に合わせて使い分けることが、快適さと実用性を両立させるポイントです。

・「すだれ」は取り付けが手軽で、視界や採光を調整しやすく、小さめの窓にもぴったり。
・「よしず」は広範囲をカバーできるため、日差しが強い場所や広いベランダに効果的。

見た目の涼やかさを演出したいならすだれ、実際の温度対策としてはよしずに軍配が上がります。

よしずに水をかけることで涼風を生み出す工夫も有効です(※天然素材限定)。

シーズンオフの時期には、収納場所や風対策も忘れずに行うようにしておきましょう。

それぞれの特性を理解して使いこなせば、エアコンに頼りすぎず、昔ながらの涼の知恵で心地よい夏を過ごすことができます。

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